東京株式市場では、日経平均株価(225種)が史上最高値を更新し、ついに6万8000円を突破するという歴史的な局面を迎えています。その後、投資家の利確売りや調整局面に入り、急落する場面も見られましたが、6月11日には一時1800円を超える大きな下げから2000円以上も買い戻されるという、底堅く力強い動きを見せました。
これほど急激な株高に対して、一部の投資家からは戸惑いや、急激な上昇の裏側に潜む「逆回転」を警戒する意見も聞かれます。しかし、高橋洋一氏は、この株高は決して単なる一過性のバブルではなく、政治の意志が市場を動かしている必然的な結果であると分析しています。
1. 「投資過小」からの脱却――成長戦略が呼び込む期待
過去30年間、日本経済が停滞し続けた最大の要因の一つは、G7諸国と比較して政府投資や民間投資が圧倒的に「過小」であったことです。投資がなければ技術革新も賃上げも起こらず、経済は縮小均衡に陥ります。
高市政権では、この長年の悪循環を断ち切るために、特定の重要分野へ集中的に投資を行い、それによって民間からの「呼び水投資」を積極的に引き出そうとしています。市場がこれほどまでに株高で反応しているのは、こうした高市政権の「経済成長を最優先にする」という明確な意志を市場が好感しているからに他なりません。これまで停滞していた日本経済が、ようやく正しい方向へ動き出したことを、投資家は敏感に感じ取っているのです。
2. 急落は「調整」であり、恐れるべきではない
半年で1万円以上上昇という驚異的なペースに対し、警戒感が強まるのは当然のことです。しかし、高橋氏は、現在起きているような急落や乱高下について、株高のプロセスにおいて必ず起こる「利益確定売り」による健全な調整局面であると見ています。
もちろん、理論株価を算出して冷静に市場を見る必要はありますが、自分で計算できない人が他人の話を鵜呑みにするのは非常に危険です。重要なのは、目先の変動に一喜一憂するのではなく、政府が掲げる成長戦略が継続的に実行されているかという「構造的な変化」を注視することです。
3. 「格差」という批判の裏側にある経済の現実
株高に対しては、「資産を持つ層だけが恩恵を受け、給与所得者層には恩恵が行き渡らず、二極化している」といった批判も根強く存在します。確かに、資産運用の有無によって格差が意識される側面は否定できません。
しかし、経済全体という大きな視点で見た場合、株高は決して「悪い話」ではありません。企業の時価総額が上がることは、企業の資金調達コストを下げ、設備投資や賃上げの原資を生むことにつながります。これが日本経済全体の体力を底上げし、最終的には国民全体への利益循環を促すことになります。成長の果実をいかに効率よく経済全体に行き渡らせるか――。これは今後の政治課題ではありますが、株高そのものは経済成長にとって不可欠なエンジンと言えるでしょう。
結論:株価は「政治に対する国民と市場の通信簿」
日経平均の最高値更新は、日本経済が「低成長」という長年の呪縛から解き放たれようとしていることの象徴です。高市政権が掲げる成長戦略が、民間の活力をどれだけ引き出し、定着させられるか。市場は今、高市政権に対して「期待」という名前の通信簿を突きつけているのです。
「成長は最大の福祉」という言葉があるように、国が本気で投資を呼び込み、経済を回すことで初めて、私たちの生活水準を底上げする余力が生まれます。短期間の乱高下に惑わされることなく、この構造変化が本物であるかを見極めることが、これからの時代を生きる私たちに必要な視点ではないでしょうか。
