衆議院の「一本化」と参議院の「別居」:片足しか突っ込んでいない覚悟の欠如
衆議院選挙を前に電撃的に誕生した「中道(仮)」。しかし、その実態はあまりにも中途半端です。衆議院では立憲民主党と公明党が一本化という大博打に出たものの、参議院では依然として別政党として存在し続けるという、前代未聞の「ねじれ合流」となっています。
これは「背水の陣」で新しい政治の形を作ろうとしたのではなく、「失敗したらすぐに元の鞘に戻れるように」という逃げ道を作った保身の現れと言われても仕方がありません。
予算委員会はどうなる? 現場の混乱は必至
今後の国会運営、特に予算委員会での立ち回りは混迷を極めるでしょう。
衆議院: 同一政党として「中道」の看板で足並みを揃える。
参議院: 立民と公明がそれぞれの論理で質問に立つ。
同じ「中道」を標榜しながら、参議院の旧立民議員が政権批判を強めれば、衆議院で連立を組む旧公明側との整合性が取れなくなります。二枚舌ならぬ「二枚政党」の限界はすぐそこに見えています。
「ボロ負け立民」と「全勝公明」:歪なパワーバランス
高市旋風が吹き荒れた衆院選の結果、この「中道」内部には残酷な格差が生まれました。
旧立憲: 惨敗。党としての存在意義を問われるレベル。
旧公明: 全員当選。盤石の組織票を見せつけ「ボロ勝ち」。
結果として、数の上でも勢いの上でも「中身は公明党」の状態です。配慮の末に代表の座を譲り受けた小川代表ですが、実権は最大勢力である旧公明側に握られています。公明党機関紙を「中道新聞」に変えるのかという皮肉すら現実味を帯びるほど、その力関係は不均衡です。
「踏み絵」とアイデンティティの喪失
中道入党時に突きつけられたのは、旧立民議員にとっては耐え難い「踏み絵」でした。
安保法制賛成
原発再稼働賛成
これらは旧立民の根幹をなす支持層が最も嫌う政策です。参議院の旧立民議員たちが、比例上位を占める公明系の候補や、これらの政策を呑み込めるとは到底思えません。
結末:希望の党の再来か、それとも空中分解か
かつて「排除の論理」で自壊した希望の党を彷彿とさせるこの動き。もともと犬猿の仲であった両者が、選挙のためだけに野合したツケは必ず回ってきます。
衆参でバラバラ、政策もバラバラ、勢力図も歪。
この「不安定な中道改革」が、国民の信頼を得ることは難しいでしょう。遠くない未来、内部対立から再び分裂し、霧散していく運命を辿るのではないでしょうか。
