ホルムズ海峡通過、日本だけが特別?

結論から言うと、「完全に日本だけが特別」というわけではありませんが、日本がこれまで積み上げてきた「独自の外交」と「中立的な立ち位置」が、大きな盾(たて)になっているのは事実です。

​3つのポイントで噛み砕いて解説します。

​1. イランとの「長い付き合い」がある

​日本は、アメリカの同盟国でありながら、イランとも長年友好関係を保っている珍しい国です。

​敵を作らない外交: 日本は中東で戦争をした歴史がなく、イランにとっては「技術を教えてくれる、信頼できるビジネスパートナー」です。

​直接の話し合い: 以前、安倍元首相がイランを訪問したように、日本はイランのリーダーと直接対話ができる数少ない先進国です。「日本の船を攻撃したら、この大事な関係が壊れるぞ」という無言の圧力が効いています。

​2. 「戦う意志がない」ことを示している

​今回の首脳会談の話にも繋がりますが、日本は「憲法の壁」があるため、他国のように「攻撃するための軍艦」を海峡の奥深くまでは出しません。

​「護衛」ではなく「調査・研究」: 現在、自衛隊の船が行っている活動は、あくまで「情報収集」という名目です。

​刺激しない絶妙なライン: 米軍主導の連合艦隊にべったり参加するのではなく、少し距離を置いた独自の活動に留めることで、イラン側から「日本は自分たちを攻撃しに来たわけではない」と認識されています。

​3. 日本が止まると「世界が困る」から

​日本は世界でもトップクラスの石油輸入国です。

​お互いの利益: イランなどの産油国にとっても、日本に石油を買ってもらわないと国が立ち行きません。「自分たちの商品を一番買ってくれる上客(じょうきゃく)」の船をわざわざ攻撃するのは、商売としてもあり得ない選択です。

​国際的なタブー: 日本のタンカーを攻撃すれば、世界中の国々を敵に回すことになります。そのリスクを冒してまで日本を狙うメリットが、相手側にもありません。

​💡 ただし、100%安全ではないという現実

​「日本だから大丈夫」と過信するのは禁物です。

​誤爆のリスク: 意図的ではなくても、混乱の中で間違えて攻撃される可能性はゼロではありません。

​「旗」の問題: 最近のタンカーは、日本の会社が持っていても、パナマなど他国の旗を掲げていることが多いです。見た目だけでは「日本の船」だと分からず、巻き込まれるリスクは常にあります。

​まとめ

​日本が通過できるのは、「憲法の制約」を逆手にとって「敵を作らない立ち位置」をキープしつつ、長年の友好関係という「貯金」を切り崩して守っているから、と言えるかもしれません。

​「行けない」という弱みが、実は「狙われない」という強みになっている……。国際政治の皮肉で面白いところですね。

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