パワハラを理由に退職を決意する人の多くは、
「ある日突然、何か大きな出来事が起きたから辞めた」
わけではありません。
実際には、明確なピークが見えないまま、
心身が少しずつ削られていき、
ある月を境に「もう続けられない」と判断するケースがほとんどです。
12月に退職を決める人が多いのも、
年末という区切りが理由ではなく、
それまで積み重なった負荷を整理する時間が生まれるからです。
「決定的なパワハラ」は分かりやすい形で起きない
パワハラという言葉から、
怒鳴り声や暴言を想像する人は少なくありません。
しかし実際に多いのは、以下のようなものです。
・指示が曖昧なのに結果だけを責められる
・ミスを個人の資質の問題にすり替えられる
・相談しても「考えすぎ」と流される
・周囲の前で立場を下げるような言動が繰り返される
これらは一つ一つ見ると「よくある職場の出来事」に見えます。
そのため、被害を受けている側も、
「これはパワハラだ」と判断しにくくなります。
なぜすぐに辞められないのか
多くの人が、強いストレスを感じながらも職場に残り続けます。
その理由はシンプルです。
・辞めると迷惑をかける
・評価を落としたくない
・転職先が決まっていない
・自分が弱いだけではないかという不安
これらが重なり、
「今辞めるより、耐えた方が正しい」
という判断に傾いていきます。
この時点では、
退職は「逃げ」に近い選択肢として認識されがちです。
表面上は落ち着いているのに、心だけが消耗する
厄介なのは、
職場環境が一時的に落ち着いたように見える時期です。
大きなトラブルは起きていない。
直接的な叱責も減っている。
それでも、
・仕事の連絡を見るだけで強い不安を感じる
・休日も頭が休まらない
・体調不良が続く
といった状態が続く場合、
問題は「出来事」ではなく「蓄積」にあります。
12月に起きるのは「事件」ではなく「判断」
12月に退職を決めるケースでは、
何か新しいパワハラが起きたわけではありません。
それまでの経験を振り返った結果、
「この環境に戻れば、また同じことが起きる」
「回復より消耗の方が大きい」
と冷静に判断できるようになるのです。
12月は、
被害のピークではなく、
限界を認識するタイミングと言えます。
退職意思を伝えた後に起きやすいこと
退職の意思を伝えると、
職場の対応が変わるケースは少なくありません。
・急に距離を取られる
・不安を煽る発言が増える
・責任感を刺激するような言葉が使われる
ここで感情的に反応すると、
さらに精神的負担が増えてしまいます。
重要なのは、
最後まで「冷静さ」を最優先にすることです。
最後まで消耗しないための具体的な行動
・連絡は業務に必要な最低限に絞る
・口頭ではなく、記録が残る方法を選ぶ
・感情的な説明を避け、事実だけを伝える
・相手の反応をコントロールしようとしない
これは相手と戦うためではなく、
自分の心身を守るための対応です。
辞める決断は遅くない
「もっと早く辞めるべきだった」という声は、
後からならいくらでも出てきます。
しかし、当時の状況でできる判断は限られています。
時間をかけて悩んだ末の退職は、
決して弱さの結果ではありません。
むしろ、
自分の状態と真剣に向き合った結果です。
まとめ
・パワハラは目立つ形で起きるとは限らない
・辞められない理由は「真面目さ」であることが多い
・12月の退職は「突然」ではなく「判断の結果」
・退職を伝えた後は、冷静さと距離感が重要
この視点を持つことで、
「なぜ辞めたのか分からない」
という違和感は整理できます。

