2026年3月、中東情勢が最悪の局面を迎えています。イラン革命防衛隊によるホルムズ海峡の封鎖宣言。米軍は「物理的な遮断はない」としていますが、実際にタンカーが攻撃を受け、民間船が航行を見合わせる「事実上の封鎖状態」に陥っています。
世界の原油の約2割が通過するこの「チョークポイント」が詰まると、日本にはどのような影響があるのでしょうか。
1. ガス・原油への直接的な打撃
まず結論から言えば、エネルギー価格の高騰は避けられません。
- 原油価格の急騰: すでにNY原油先物は跳ね上がっており、これが日本のガソリン価格や灯油代に直結します。
- 電気・ガス代の連動: 日本の火力発電は輸入LNG(液化天然ガス)や原油に頼っています。燃料費調整制度を通じて、数ヶ月後には家計を直撃するでしょう。
- 物流コストの増大: 燃料費が上がれば、トラック輸送や航空便の運賃が上がり、結果としてスーパーに並ぶ食料品や日用品まで値上がりする「悪い物価高」を加速させます。
2. 日本政府はどう動くのか?
日本はエネルギー自給率が極めて低いため、こうした事態には「備蓄」と「外交」の二段構えで対応します。
- 石油備蓄の放出: 日本は国と民間合わせて国内需要の約180日分の石油を蓄えています。政府はこれを段階的に放出し、市場のパニックを抑えようとするはずです。
- 高市首相の対応: すでに「機動的に対応する」との方針を示しており、ガソリン補助金の延長や拡充、さらにはエネルギー節約の呼びかけが行われる可能性があります。
- 代替ルートの確保: 中東依存を減らすため、アメリカや東南アジアなどからの輸入拡大を急ぎますが、輸送コストの増大は避けられません。
3. 私たちの生活への影響と「スタグフレーション」の懸念
最も懸念されるのが、景気が後退しているのに物価だけが上がる**「スタグフレーション」**です。
- 実質賃金の低下: 物価上昇が賃上げを追い越してしまい、生活が苦しくなるリスクがあります。
- 日銀の舵取り: 原油高によるインフレは「悪い物価高」であるため、日銀が利上げをすべきか、景気のために据え置くか、非常に難しい判断を迫られます。
まとめ:日本が試される「エネルギー安全保障」
今回の事態は、単なる遠い国の紛争ではありません。蛇口をひねれば出るお湯、毎日乗る車、そして日々の買い物すべてに繋がっています。
日本としては、同盟国である米国と連携して海域の安全確保を求めつつ、国内では徹底した省エネと、備蓄をどう賢く使うかが鍵となります。
