2026年7月下旬、会期を8日間延長するという異例の末に幕を閉じた今国会。衆院選で圧勝した高市政権が初めて迎えたこの国会について、嘉悦大学教授の高橋洋一氏が自身の連載コラム「政治経済ホントのところ」でその内実を深く振り返っています。
皇室典範改正や副首都法案の成立、そして野党との激しい攻防の裏にあった政治の真実について、詳しく読み解いていきます。
1. 全64法案の成立と、公約実現という「民主主義の基本」
今国会では、内閣提出の皇室典範改正案を含む全64法案に加え、議員立法の国旗損壊罪、そして会期を延長してまで対応した副首都法案が無事に成立しました。
自民党と日本維新の会の連立政権にとって、今国会の成立絶対公約とされていたのは以下の項目です。
- 皇室典範改正
- 副首都法案
- 衆議院定数削減法案
衆議院定数削減については、野党側にとって大きな打撃となるためなりふり構わず反対され、皇室典範改正などの審議拒否という暴挙に出る場面も見られました。一部のオールドメディアはこれを「与党の数の横暴」と批判しましたが、高橋氏はこれを「先の総選挙の民意を無視した行為」と指摘しています。結果として与党は定数削減法案を一旦取り下げて先送りし、皇室典範改正を優先させる判断を下しました。
一部のマスコミは一定時間経ったあとの採決を「強行採決」と称しますが、高橋氏は「公約に掲げていた法案を通すことは民主主義の基本である」と力説しています。
2. 連立離脱を回避させた「副首都法案」の膨大なインパクト
会期を延長してまでギリギリで成立した「副首都法案」は、自民・維新の連立政権にとって衆院定数削減と並ぶ最大の目玉政策であり、この成立によって連立離脱がしっかりと回避されました。公明党が抜けた後に維新が連立参加したことで、日本全体の政策がこれまでの親中路線から修正され、保守回帰に向かったことは非常に良い方向であると高橋氏は評価しています。
また、副首都構想の本質について、かつての首都移転が単なる「カット&ペースト」であったのに対し、副首都は「コピー&ペースト」であると解説しています。
- 大規模な国家プロジェクト: 投資の総事業費は20兆円、真水予算でも10兆円を超える規模となり、副首都に選ばれた地域は大いに景気づくと予想されます。
- 大義名分と行政機構: かつての大阪都構想が経済効果の薄い公行政組織の改編であったのに対し、今回は広域大規模投資を円滑に行うための行政機構・改編という大義名分があり、高市政権の投資志向とも完全に合致しています。なお、こうした広域大規模投資を円滑に行える行政機構を持つ地域であれば、どこでも立候補が可能となっています。
3. 「衆議院の再議決」と憲法ルールの厳格な運用
現在の与党勢力は、自民党316議席、日本維新の会36議席を合わせて計352議席となっており、衆議院で3分の2(310議席以上)を超える絶対的な数を持っています。
これにより、参議院が万が一否決した法案であっても再度可決・成立させる「衆議院の再議決(憲法59条2項)」の行使が可能です。高橋氏は、これは憲法で定められた正当なルールであるため、粛々と行使すればよいと指摘しています。 野党の多くは護憲派を自負していながら、自分たちに都合の良いときには護憲を叫び、都合が悪くなるとそれを無視するというダブルスタンダードに陥りがちです。丁寧な議論はもちろん必要であるものの、一定時間が経過した後はしっかりと採決を下すことこそが、民主主義のプロセスにおいて不可欠であると結論づけています。
結び:民意を形にする政治の重要性
衆院選での圧倒的な信任を背景に、困難な法案の数々を正面から突破した高市政権。
野党の激しい抵抗や一部メディアからの批判の声はあるものの、掲げた公約を一つずつ着実に法案として具現化していくことこそが、有権者の期待に応える唯一の道です。激動の国会を乗り越えた今、保守回帰と積極財政を掲げる高市政権が、ここから日本の未来をどのように切り拓いていくのか、ますます期待が高まります。
